過食症とは?~過食症の現実~

目次

  1. 過食症とは?
  2. 過食症の症状と特徴は?
  3. 過食症の食事量はどのくらい?摂取カロリーは?
  4. 過食症の原因
  5. 過食症の影響
  6. 過食症セルフチェックリスト

過食症とは、摂食障害の症状の一種で、自分ではコントロールできない過食行動とその後の補償行為(例えば、自己誘発の嘔吐、過度な運動、断食、下剤の使用など)が繰り返されることを特徴とします。過食症は、食べることに対する強い衝動によって引き起こされ、お腹がぱんぱんになる程の大量の食べ物を短時間で摂取しますが、その後に罪悪感や体重増加の恐怖から補償行動に走るというパターンが見られます。

2. 過食症の症状と特徴は?

定期的な過食行動
● 2時間以内に大量の食べ物を食べる
● 通常の食事時間外に強い食欲が現れる
● 食べることをコントロールできない(食べるのを止められない、食べないように抑制できない、満腹感が分からない、いつ止めるべきか分からないなど)
● 一般的に見て食べる量が他の人よりはるかに多い
食事後の代償行為
● 体重の増加を防ぐために、過食してしまった後に行う行為が週に少なくとも一回、3か月以上にわたって続いている。(自己誘発の嘔吐、過度な運動、食事を取らない、下剤の使用など)
過食行動の頻度
● 週に1回以上、3か月以上の期間にわたって過食している
自己評価の低下
● 自己評価が体型や体重に影響され極端に低い
● 自己否定を繰り返し自己肯定感や自尊心が低下している

摂食障害の症状は個人によって様々な症状が現れるため診断基準は難しくもありますが、これらの基準のいずれかが当てはまる場合、過食症(摂食障害)と診断される可能性があります。
摂食障害についてはこちら

3. 過食症の食事量はどのくらい?摂取カロリーは?

平均的な成人の普通の食事は、一回あたり約500から800カロリー程度が一般的です。これには主食、主菜、副菜が含まれ、バランスの良い食事とされています。
過食症の人が過食発作を起こした場合、2,000カロリーから3,000カロリー以上をわずかな時間で摂取してしまいます。極端な場合には、5,000カロリーを超えることもあります。
一般的な人が一度の食事で普通に食べるのが、1枚のピザや1つのハンバーガーとサラダやポテト、デザートを1個だとします。過食症の人が摂取する量は、ピザなら3枚以上、複数のハンバーガー、複数のサイドディッシュ、もちろんデザートも数個に及び、大きなホールケーキも丸ごと一人で完食してしまうことがあります。個人差はありますがこのように大量の食べ物を一度に摂取することが、過食症の特徴的な行動です。

4. 過食症の原因

心理的な問題
● 自己評価が極端に低い
自分の体重や体形に対する不満やコンプレックスが強く、それが過食症の発症や悪化に関連している可能性があります。自分の価値を体型や体重を基準にする傾向があり、それが過食症の行動に繋がりやすくなります。
● ストレスなどの問題
不安、抑うつ、対人関係のストレスを食べることで対処しようとすることが過食を誘発することがあります。特に女性に見られる完璧を求める性格が、食行動の異常を引き起こすこともあります。
文化的・社会的圧力
● メディアや社会が理想とする体型への圧力が、体重や体型への過度な関心を高め、過食症を引き起こす原因になり得ます。自己評価や体重に対する異常な関心が、過食症の発症を促すことがあります。例えば、メディアの理想化された体型や外見への過度な追求が影響を与えることがあります。
環境的要因
● 家庭内での食事環境や、家族間の衝突、親の摂食障害が子供に影響を与えることがあります。
● 友人とのトラブル、仕事上の圧力や人間関係の問題が過食症の原因となることがあります。
その他の要因
● 過食症の発生には遺伝が関与していることが研究で示されています。家族歴に摂食障害がある場合、遺伝的な要因により過食症を発症するリスクが高まります。
● 脳内の神経伝達物質やホルモンのバランスの変化が、食欲や食事制御に影響を及ぼし、過食行動を引き起こすことがあります。

5. 過食症の影響

身体的な影響
● 過食症の人は、摂取カロリーが通常よりも多くなるため、体重の増加が激しく現れます。それによって健康問題(高血圧、高コレステロール、糖尿病など)のリスクを増加させることがあります。
● 過食行動によって、消化器系の問題(胃炎、胃酸逆流、胃腸の不快感など)が引き起こされることがあります。過食や嘔吐によって胃腸に過度の負担をかけていることが原因です。
精神的な影響
● 体重や体形に対する不満や否定的なイメージを持ち、自己評価が低下することがあります。
● 過食行動や体重増加によって、罪悪感、うつ病、不安障害などの精神的問題が悪化する可能性があります。
● 過食後に、激しい罪悪感や自己嫌悪感に苛まれ、過食行動をさらに助長する悪循環を生むことがあります。
● 食べている量やカロリーを正確に認識できなくなるため、過食行動がパターン化し無意識のものになりやすくなります。
その他の影響
● 過食症は、社会的な孤立や人間関係の悪化、学校や職場で問題を引き起こす可能性があります。
● 食事や食糧調達にかかる時間やエネルギーが増え、日常生活に支障をきたすことがあります。
● 過食行動やその後の自己嘔吐などの行動が、生活の質や日常を損なう場合があります。

6. 過食症セルフチェックリスト

● 週に一回以上、コントロールを失い、大量の食べ物を短時間で摂取してしまうことがある
● 過食する際、本来なら満腹を感じるはずの量を超えても止められないことがある
● 他人に見られたくないため、一人でこっそりと大量に食べることがある
● 大量に食べた後、強い罪悪感や恥ずかしさを感じる
● 過食した後に、体重増加を防ぐために嘔吐を誘発したり、過度に運動したり、断食したり、下剤や利尿剤を使ったりすることがある
● 日常的に食べ物やカロリーについて考える時間が多い
● ストレスや感情的な問題を抱えている時、食べることで気分を落ち着かせようとしてしまう
● 過食や補償行為のサイクルによって体重が頻繁に変動する
● 食事行動を隠すために、友人や家族との交流を避けるようになっている
● 自分の価値は体型や体重で決まると感じる


過食症の重症度は個々の状況によって異なります。
適切な治療やサポートを受けることで、これらの影響を軽減することができます。医療専門家や精神保健専門家の指導のもとで、適切な治療を受けることが重要です。

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