嘔吐が出来るようになるまで

いつの間にか嘔吐にもだいぶ慣れたもので
今では10分あればさくっと吐けるようになりました。

過食症の精神的な苦しみ、肉体的な負担(食べ過ぎた後の身体)はかなりのもので
私は過食症に悩みながらいかに食べた時間をどうリセットするかをいつも考えていました。

当時は摂食障害の知識があまりなかったので
食べたものを吐き戻すという選択肢はありませんでした。

嘔吐は過食症に苦しむ日々の中でネットで得た情報の一つでした。

嘔吐を覚える前、
過食後にはその代償行為として断食をしたり
過度な運動、下剤やダイエットサプリなどの乱用をして
バランスを取っていました。
過食症と拒食症のループ。
ここで留まる摂食障害の患者さんもいるようですが
私はこの段階は長くは続きませんでした。

過食と拒食を繰り返していると、
どうしても過食している方の自分の方が苦しみから解放される気持ちになるのです
食べ過ぎた後の苦しみやそれによって増える体重にも更に精神的にやられはしますが
食べている時間は何も考えなくて良かった。

拒食<過食 に行動が傾いていきます。
代償行為が追いつかなくなってくると
もう嘔吐しかなかったのです

初めは『吐く』ということがいまいち分からず。
普通に生きていて、誘発的に吐いた事はありませんでしたので。

ネットで吐き方を調べました。
(この頃から自分が摂食障害なのだと完全に認知しましたね。)

そして過食嘔吐への道が始まりました。

まずは1本、恐る恐る人差し指を突っ込んで喉を刺激してみる。

指吐きの基本は指を突っ込んで嗚咽反動を使って吐きだす、ということが書いてありましたので
その通りチャレンジ。

ただ、なかなか吐けません。
身体が嘔吐を知らないのです。

当たり前のように乗れるようになった自転車も子供のころはなかなか乗れませんよね。
そんな感じ。

なかなかコツがつかめない。
おえっ、、となるけど、出てこない。

ちょこちょこ指を突っ込んで喉を刺激し続け、やっとの思いで嘔吐。
はじめは30分くらい掛かりました。
しかもあまり出ない。水分のような吐瀉物が少しだけ。

涙と鼻水と吐けないつらさで色々ぐしゃぐしゃでした。

ただ嘔吐行為だけが特別辛いと感じることはなかったですね。
なぜならば拒食、過食、と既に辛く暗い精神状態でいたので
感覚はマヒしてます。

次に得た情報の一つとして
炭酸水をたっぷり飲んでゲップを誘発し、その衝動で嘔吐する

これも嘔吐反応の数は増えましたがいまいちドバー、と出ない。

1回の嘔吐に何十分も掛けるのは本当に辛かった。

恐る恐るの指の刺激に喉の感覚が鈍ってくるので、
そんな日は何十分頑張って喉を刺激しても吐けない日もありました。

だんだんと
頭を胸より下にして
深くお辞儀をする体制で吐くとよりたくさん胃物が出ることに気づきます。

そして1本指ではなく2本指の方が喉への刺激も与えやすく吐きやすいことを体感していくのです。

本当に少しづつ、私は嘔吐を覚えました。

実家暮らしのときはトイレに何十分も籠るとバレてしまうので
自室のゴミ箱にビニール袋を入れてその中に吐いていました。

吐き終わってからトイレに流しにいく。

聞こえが悪く申し訳ないのですが
それ程、私にとって嘔吐行為は難しく時間が掛かる行為だったのです。

ただ、吐いた後の体重が吐く前に近づいている。
吐いた吐瀉物に食べたものが確認できる。
吐いた後の喜びはそこでした。

詰め込んでしまった不純物を出せた!
少しでも食べる前の状態に戻せた。
喜びというか安堵と言うか。

今までいろんな試行錯誤をして嘔吐してきました。
指吐きの他にラップ吐き、スプーン吐き、炭酸吐き。

やはりポイントはいかに怖がらずに指を突っ込んで喉をうまく刺激できるか
です。

ちなみにラップ吐きは喉に詰まって苦しさでむせてしまい
吐いたときに吐瀉物が飛び散るのでおススメしません。

スプーン吐きは喉を傷付ける恐れがあるのでやめましょう。
スプーンを突っ込むなら指で十分吐けますし安全です。

今は指を3本使ってゴム手袋吐きです。

素手で吐いている時期も長かったのですが
どうしても爪で喉を傷付けがち。
特にネイルをしていて1カ月ほど伸ばしっぱなし、なんてこともあったので。
それに手も荒れます。
胃酸のせいか、単純に水で洗う行為での手荒れかは不明ですが
断然ゴム手袋吐き推奨です

しかもぴったり手にフィットするタイプ。
100均で10枚100円で売ってますし、大型スーパーであればお徳用が売ってます。

吐く時のポイントは・・・
頭を深く下げて胸と胃の位置より頭が下になる姿勢を取り、
指を3本突っ込んで喉の奥を押しながら喉奥で吸い込みながら飲み込む感じ。(この時お腹に力を入れてもう片方の手でお腹を押すとなおよし。)

これでもうほぼ吐けます。

いまでは10分以内。
何度も刺激せず、1回の刺激でひと吐き。

刺激の回数分嘔吐出来ます。

いつのまにか慣れたものになりました。
自転車に乗れるようになった大人です。
極論ですが、続けていれば出来るようになってきます。
はじめはうまく吐けなくて当然。
だんだんとコツをつかんで吐けるようになってくるので
焦らず喉を引っ搔きまわして傷を増やさないように。
ゆっくり落ち着いて吐く練習をしてください。

ちなみに私は完吐き、チューブ吐きはしておりません。
日々の嘔吐は指吐きのみ。
チューブ吐きは怖いのでしていません。
一度踏み入れるとなかなか抜け出せなくなるというコメントをよく見かけます。
指吐きでも既に過食嘔吐が慢性化して嘔吐からは抜け出せなくなっていますので
どちらでも同じかなぁなんて思ったりもしますが。

いつかもし過食嘔吐友達ができたら、チューブ吐きについて
色々と腹を割ったお話がしてみたいものです。

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