目次
- 過食嘔吐でも太る理由
- 食べる順番を変えて摂取カロリーを抑える
- 野菜やサラダからたんぱく質・炭水化物
- 底食材の重要性
- 食べ始めてから吐くまでの時間
- もし時間内に吐けなかったら
- パニックにならないために
- 摂取カロリーは食
◆おわりに
1.過食嘔吐でも太る理由
過食嘔吐しているからと言って体重が減っていくわけではありません。どうして嘔吐しているのに痩せないの?と不安になると思いますが、それもそのはず。
過食嘔吐をしていても体重が増加してく理由はいくつかあります。
● 嘔吐によって食べたもの全てを吐き出せてはいない
食べたすべてのカロリーを完全に嘔吐することは難しいです。一部のカロリーは体内に残り、吸収されるため、体重が増えることもあります。
● 摂食障害によって代謝が低下している
頻繁な過食嘔吐は身体の代謝を乱すことがあります。身体が飢餓状態だと誤解し、エネルギーを節約しようとして消費カロリーを減らすため、基礎代謝率が低下し、少量の食事でも体重が増加しやすくなります。
● むくみや水分の過剰摂取による水太り
嘔吐によって体が脱水状態になり異常に喉が渇いたり、過食嘔吐による食生活の乱れで体内に過剰な水分が溜まることで体重が一時的に増加します。
嘔吐によって食べたものを全て吐くことはとても難しいのです。
嘔吐しているからと言って体重が減るわけでもなく、むしろ過食嘔吐を頻繁にしていると太ってしまうこともあります。
そこで今回は過食嘔吐をしながら体重の増加を出来るだけ抑える方法を紹介していきます。
2. 食べる順番を変えて摂取カロリーを抑える
過食嘔吐しながら摂取カロリーを抑える方法で一番取り入れやすいのは食べる順番を変える過食方法です。一般的なダイエットでも実践されている食べる順番ダイエットは聞いたことがあるかもしれません。食べる順番を変えるだけで摂取カロリーを確実に抑えられるのでぜひ今日から実施してみて下さい。
私の場合、食べる順番を守ることは過食時の決まりの一つとなっています。
そのおかげか、今では毎晩の過食嘔吐でも体重の増減はほぼ無くなりました。
ついつい食べたいものから食べはじめてしまいがちですが、食べる順番を変えることで摂取カロリーを大きく抑えられているんだな、と実感しています。
3. 野菜やサラダからたんぱく質・炭水化物
まずは必ずサラダ(食物繊維)から食べること。その次にたんぱく質、炭水化物という順番で食事を進めましょう。
● 野菜やサラダ→汁もの(あれば)→たんぱく質(おかず)→炭水化物(お米やパン)
生野菜やサラダ、茹で野菜など、食物繊維が豊富な野菜は必ず一口めに食べるようにしましょう。食物繊維は消化がゆっくりなため、血糖値の上昇を穏やかにしてくれる効果があります。
野菜の次に、魚や肉、豆腐などのたんぱく質が豊富な食品を食べます。たんぱく質は満腹感を持続させる効果があり、良質な体作りには不可欠な栄養です。
最後にごはんやパン、パスタなどの炭水化物を摂ることで、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることができます。この食べる順序は脂肪の蓄積を抑える効果もあります。
食べる順番ダイエットという言葉がある通り、食べる順番によって体内での消化活動は大きく変わってきますので過食の際には食べる順番には気を付けるように心がけてみてください。
4. 底食材の重要性
過食嘔吐をしている人たちは過食するときに一番はじめに食べるものを『底』と呼びます。
『底』についてはこちらで説明しているので興味があればみてみて下さい。
『底』解説:過食嘔吐の前に行う食事の準備
消化が遅い食材を食べてから過食に取りかかることを『底作り』なんて言っていたりします。
その『底』がしっかりしていると消化がややゆっくりと行われるのでその後の過食物の消化も遅くしてくれる、ということです。
もちろん消化しない訳ではないので底食材選びもポイントになってきます。
消化してしまっても低カロリーで体重の増加に繋がらない食べ物。そう考えると野菜やサラダはぴったりな食材です。
ただ、食べる順番を変えても、底食材で過食を始めても、あくまで消化を遅くしてくれるだけで食べ物は胃に入った瞬間から消化が始まります。完全に摂取カロリーをゼロにするのは無理なのです。
なので出来るだけの食べる順番や底食材で対策をして過食を始めましょう。
抑えられない強い過食衝動で、つい炭水化物から食べ始めてしまう気持ちはとてもよく分かります。
ですが過食はじめのその一口めがとても重要なのです。
5. 食べ始めてから吐くまでの時間
食べる順番や底食材の他にもう一つ、過食嘔吐の際の決まりのようなものがあります。
● 食べ始めてから吐くまでの時間(過食時間)は2~3時間
なぜ2~3時間内に嘔吐するのかは下記の理由のとおりです。
食べたものが完全に消化され始めるのは2時間ほど経ってから。胃での消化時間は、食べ物の種類によって異なりますが、一般的には2〜4時間かかります。例えば、炭水化物は比較的早く消化され、タンパク質や脂肪は時間がかかります。
胃に入った食べ物が消化をはじめてから完全に吸収に入る(腸に降りて行く)時間が2時間ほど経ってからということ。なのでそれまでに排出(嘔吐)しなければどんどん吸収されていってしまいます。
何度も言いますが、過食嘔吐を抱える人は食べたものを消化したくない病なのです。
体内に吸収して太ったりしたら終わりなのです。そして同時に過食が辞められない病でもあるので
とにかく消化を遅らせるために『底』を意識して過食をしたり食べる順番を変えてみたり。とにかく少しでも食べたものを消化しないように工夫しています。
吐く時間も全く同じ理由で、私にとってはルールの一つでした。食べ始めてから2~3時間以内には必ず一度は嘔吐すること。
このように過食嘔吐は単純に食べたいものを食べているだけではなく食べ方や食べる時間まで厳しくルールを決めて行っているケースが多いとされています。
6. もし時間内に吐けなかったら
食べる順番と時間制限について紹介しましたが、私はこの2つのルールが守れない状況で過食をしているとたちまちパニックになります。
激しく動揺したり、どうしていいのか分からなくなったり、過食しながらイライラしてしまったりすることも多々。
ついこの前、過食中にどうしても眠気に勝てずに1時間ほど眠ってしまったことがあったんです。
その時はもう動揺しまくりでした。
あぁどうしよう、吸収しちゃう、怖い。という感情が一気に押し寄せ、イライラして泣き出しそうになるのです。
すぐにトイレに駆け込んで嘔吐すればよかったのですが
まだ過食の途中だったので十分にお腹が膨れている訳ではなく、身体の状態がいつも違うことに対しても嫌気。混乱してただ泣き出して残っていた食べ物と炭酸飲料を口に放り込みお腹を膨らませて嘔吐誘発を急ぎました。
泣きながら過食する姿は異常な姿だなぁと食べながら悲しくなっていた記憶が残っています。
環境や状況の変化に対して臨機応変に動けない性格も摂食障害に掛かっている人の特徴かもしれません。
過食嘔吐の吐き方 解説 では吐き方について簡単にまとめています。
時間内に吐けなくてもすぐに体重増加に繋がるわけではありません。不安な気持ちになるかと思いますが焦らずゆっくりと対応しましょう。
7. パニックにならないために
過食嘔吐をしているとイレギュラーなことが起こった時にどうしてもパニックに陥りやすいです。
例えば食べている最中にどうしても過食を中断しなくてはならない事情ができたときや、過食のあとに嘔吐が何らかの理由で出来なくなってしまったとき、過食嘔吐の際の自分ルールを守れなくなってしまったとき。状況に臨機応変に対応できずに混乱しパニック状態になってしまったとき、どう対応したらよいのでしょうか。
●過食嘔吐するときは時間に余裕を持って
●どんな時でも嘔吐を誘発できるようになっておく
過食嘔吐を誘発:吐きやすい食べ物
●パニックになった時の対処方法をあらかじめ決めておく
●ネガティブな気持ちにいつまでも引きずられないように切り替える
ある程度、過食嘔吐をコントロールする力を付けることがパニック回避の近道のように思います。
なかなか難しく感じますが、過食嘔吐が慣れてくるとパニックになる回数も少しづつ減ってきますのでたとえ吐けない日があっても、体重が増加しても、焦らず状況を冷静に判断していきましょう。
8. まとめ
● 摂取カロリーは食べる順番と時間管理で変わる
● 食べる順番は野菜やサラダから
● 食べ始めてから2~3時間以内に嘔吐する
● 過食嘔吐をコントロールする力を身に付ける
摂取カロリーや過食時間の管理を変えることで過食嘔吐していても体重が増えなくなります。
嘔吐するからといって太りやすい食材から過食したり、だらだら食いをしていると体重は増えていってしまいます。
強い過食衝動によって制御できず、食べる順番や時間をコントロールするのは難しいとは思いますが、少しでもこれらの対策をすることで過食嘔吐に丁寧に向き合う自分を習慣付けてみるのもいいかもしれません。
◆おわりに
過食嘔吐を抱える人にとって、食べる時間は精神的な拠り所となっていたり、もしくは習慣化していたり、抑えの利かない辛い衝動だったりします。
食べ物を嘔吐しているというだけで他人からの理解を得られないことも多く、孤立しやすく、周りに相談できずいる現実は摂食障害の問題のひとつです。
泣きながら過食嘔吐をし、常に時間を気にして食事をとる生活、過食嘔吐は常に食べ物や時間との孤独な戦いなのです。