~摂食障害と対人関係:理解者の重要性~
摂食障害になり十数年以上経ちましたが
現在メンタルは安定しており、平日はオフィスで常勤の仕事が出来ています。
摂食障害に理解のある旦那と出会い、平凡ですがささやかな幸せも感じることが出来る結婚生活を過ごしています。
毎晩休みなく過食し吐き続ける私に何も言わずに見守ってくれている旦那の存在には感謝しかありません。
この病気の怖いことは孤立してしまう病気だということ。人に話すことすら出来ない人も多いはずです。話せば腫れものを扱うように対応されるのではないか、普通に食事が出来ないなんて奇妙な目で見られるのではないか、否定されるのではないか。
そんなことを繰り返し考えているうちに対人関係が希薄になり、それが更なるストレスや孤独感を強め症状を深めてしまいます。
摂食障害を持つ人の対人関係の傾向
【孤立感の増加】
摂食障害を持つ人は、自分の体型や食事に関する過度の意識から、人との交流を避けるようになります。食事を共にする社交的な場面では不安を感じ、外出を避けたくなることが多く、結果として孤立感が深まります。
【不安と緊張の高まり】
摂食障害に伴う過食や拒食などの行動は、友人との集まりやイベントに参加する際に強い不安を引き起こすことがあります。また不安から緊張をもたらし、円滑なコミュニケーションの妨げとなります。
【罪悪感による遠ざかり】
摂食障害である自分の行動や状態を隠そうとし、嘘をついたり秘密を持つことに繋がります。その結果、対人関係において常に罪悪感を感じ、友人と距離を置くようになっていきます。
【自己開示の困難】
摂食障害である事実や感情を他人と共有することは難しく、友人との深いつながりを築く上で障害となることがある。自分の問題を理解してもらえないと感じ、友人との関係が希薄になる可能性があります。
【サポートの求め方の難しさ】
摂食障害を持つ人々は、助けを求めることに罪悪感や恥を感じることがあり、これが友人からのサポートを受け入れることを難しくします。友人からの助けや理解を求めることに躊躇することで、より一層孤立を深めることになります。
摂食障害であることで体型や食事に対する過度の意識が対人関係、社交活動への関わりを大きく妨げてしまうのです。
“理解者がいる”ということの重要性
私はこの病気を
【理解できない人】
【理解しようと頑張ってくれる人】
【理解してくれる人】
どのタイプの人にも会いました。
【理解できない人】とは向き合って対話をすることが出来ませんでしたし
本心でこの病気の事についてお話することは出来ませんでした。
『もっと食べなきゃだめ』『ちょっとぽっちゃりしてた方がいい』
『吐いちゃだめ』『食べ過ぎてはいけない』
言われるたびに、心がどんどん離れて行くのが分かりました。
何を言っても否定的な言葉が返ってくるので会話が出来なくなり、その人と病気の話は全くしなくなりました。
考えを理解し合えない人間同士は離れるしかありません。
余計なストレスは避け、割り切って離れてみましょう。
その人ははっきり言ってあなたとは縁がない人です。
縁がないどころか、害があります。時間の無駄です。これ以上ストレスを増やしてはいけません。
一旦しっかりと距離を置いてみてください。
次に【理解しようと頑張ってくれる人】。
少し厄介なのが、こういう人って、自分はこの人(摂食障害の相手)を理解出来る人間なんだ、と自惚れているパターンの人がいること。
このパターンの人ってまず目線が自分なんですよね。
まず自分の色眼鏡を通して物事を見がちなので心からの理解を得るには時間が掛かります。
理解出来ない訳ではなく頑張って理解しようとしてくれる姿勢はとても嬉しいことなのですが
こういう人は後々、厄介事を言ってきたり、
何かあったときに、あなたが病気だから。と言い訳がましいことをごたごた言って来る傾向があります。理解しようと頑張ってくれるのは嬉しいことですが自分本位な考えが見据えてストレスです。
理解したフリをされてこちらも対人関係に無駄に精神を使ってしまいます。
本来なら病気を治すために使う力を、対人関係の場面で使って消耗したくないですよね。
その人の存在が摂食障害の原因となっている場合は別ですが、
理解しようとしてくれる姿勢にありがとうをして、心のよりどころには決してしない方が良いと思います。お互いに傷付けあってしまう前に距離を置きましょう。
私は2年ほど、この【理解しようと頑張ってくれる人】と結婚をし2年程一緒にいましたが
最終的には離れることを選びました。
最後に【理解してくれる人】。
こういう人は摂食障害のことを話してみたら直感で感じることができるかもしれません。
自惚れな自分本位でもなく、あなたでもなく、病気について理解をしてくれます。
“個人(あなた)”と“摂食障害(病気)”という見方をしてくれます。
個人の顔がそれぞれ異なるように個人が抱える病気が違うということを理解している人です。
見せかけではなく心が寛容な人。
そういう人からの支えは症状に大きく影響します。理解してくれる人と過ごすと摂食障害の自分を自分でも理解できる様になっていきます。
摂食障害も一人の人間の個性と感じれるようになるかもしれません。
今ではまるで依存のように毎晩過食嘔吐をしています。好きなだけ食べ、嘔吐することで心が安定しています。慢性化し過食嘔吐に依存している毎日にうんざりすることもありますが、一人でも理解ある人が周りにいてくれると、少しだけ楽になります。
それが家族なのか、恋人なのか、友人なのか
同じ病気の患者さんなのか、それはきっと人それぞれです。
今のあなたの個性がただ、摂食障害ということなだけです。
どうか個性を無理矢理、自分や他人から否定されませんように。
理解してくれる人からのサポートが、回復の過程で非常に重要な役割を果たします。
お互いお大事にしましょうね。